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Feels So Good
読書メモ
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「少女」コレクション、と銘打っているが、気に入ったテーマを集めて書いた、とのことで、少女への言及はそれほど多くない。それでも表題作含め、少女について語る項は力作。割かし読みやすい文章ながら、著者独特の美学の世界に浸れる。

裏のテーマは「人形」か。四谷シモン作の表紙、口絵も美しい。
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翻訳者としてのイメージが強く、恥ずかしながら小説があったとは知らなかった。ひらがなを多用した文章ながら、実験小説の一面もあり、一筋縄ではいかない。童話めいた世界観だが、自伝的要素が強く内容はそれなりに重い。

独自の女性論等々を挟み、一見支離滅裂なようにも思えるが、相当に引き込まれて読んだ。親和性が高い表紙も実に良い。

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伝説と化した作家の約30年ぶりの長編。現代の日本から始まり、いつとも知れない銅版画に描かれたヨーロッパ、遥か未来の日本を経て、13世紀のイタリアへと舞台は変化する。どれも筋は難解だが文章は美しく、各章最後の一行は特に印象的。

「眠り」の主題から「春の目覚め」へと至る最終章まで、じっくりと味わいたい一冊。

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時代は少しさかのぼり、1920年代のドイツが主な舞台で、一人の貴族、アルトゥールを中心とした人々を廻る話。著者お得意の作中作が活き、夢と現実の境界が不確かな、きわめて幻惑的な雰囲気を持つ。

『薔薇密室』で度々名前の挙がっていた詩人、ヨハン・アイスラーの物語という一面もある。眩暈を感じるような掴みどころのなさが、ラストで一気に収束する様は見事。

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『死の泉』と同じく、大戦下のドイツが舞台。作者一流の世界観をひたすらに詰め込んだような作品で、趣味が合うのであれば、この上なく甘美な時間をすごせる事と思う。推理小説の要素も含んでいるため、かなりの長編ではあるがまったく気にならない。

「物語を必要とするのは、不幸な人間だ」とのフレーズが度々出てくる。このような物語を手に取れるのであれば、幸福にはなりたくない、とまで思わせる。

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第二次大戦下のドイツが舞台で、翻訳、という体裁を取っている。あとがきまで含めて作品の一部なので注意。大きく分類すると推理小説になりそうだが、それほど厳密ではなく、物語、という言葉がしっくりくる。

古城、カストラート、人体実験といった小道具に彩られた、重苦しくも幻想的な雰囲気が良い。後半で冒険活劇っぽくなる点は少し残念だった。


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