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Feels So Good
読書メモ
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全三巻の作品精華、他はミステリー、時代小説と銘うっていたものの、非常に幻想味があった。本書は真っ向「幻想小説」集であり、現代を舞台としたホラーや、コメディタッチ、実験小説のようなものまで、実にバラエティ豊か。幽霊譚がやや目立つか。

収録作の中では『骨董屋』が、超自然的な要素の中に無垢な子供の怖さを描き、アンティークで彩ったうえで、締めは希望の見えるラストと、とても印象に残る作品だった。最近刊行が始まった、『皆川博子コレクション』の方には収録されないようで、残念。
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本書は単行本『朱鱗の家』、『海と十字架』を収録した第一部、三部と、短編を集めた第二部からなる。タイトル通りに時代小説を集めているが、何を書いても根底は幻想文学の作家なんだなあと思う。

第二部もさることながら、特に第一部は、岡田嘉夫による黒目を配した妖艶な挿絵と、美文の極みとも言うべき調子が相まって、雰囲気だけでもご飯三杯はいけそう。絵巻物風のオリジナル単行本で読んでみたい。第三部は児童文学だけど、子供向けとあなどるなかれ、幻想味は薄いものの、本書の中では一番骨太な作品だった。

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今更だけど、初村上春樹。イメージしていたよりかは、かなりシンプルで分かりやすかったに思える。ただ、100万部も売れるほど面白いか、と問われると微妙な気もする。

また、話の大部分が投げっぱなしで終わるため、読了後はもやもやしした気分になるかも。他の作品もこういった作風なのだろうか。

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初期作品を読むのは初めて。ここ最近の作品と比べてもなんら遜色のない美しい文章に、すぐに惹き込まれた。「ミステリー編」とあるけれど、愛憎や狂気のイメージがにじみ出るような作風で、幻想小説集と銘うつことも出来そう。どの作品も高水準で、甲乙つけ難いが、『火焔樹の下で』や『舟唄』、『黒塚』あたりが特に印象に残った。

それにしても、これだけの本が絶版になっているとは。またも図書館に感謝せねば。

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一冊丸々江戸川乱歩がテーマの長編。作中で言及されている中では、不勉強なことに『孤島の鬼』は未読だったが、特に問題なく楽しめた。どちらかといえば少年探偵団ものの比重が高い。本シリーズも四作目となり、登場人物も出揃った感がある。折り返し地点くらいか。

それにしても、帯に載っているドラマ版の写真がイメージにそぐわない。

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詩から着想を得た、八の短編集。どれも30ページもない短い話なだけに、エロティックなイメージと死の情景が凝縮されたようで、頭から離れない。『空の色さえ』の時の止まった空間、『妙に清らの』の歌声、『遣し文』の幕切れが特に印象に残った。

どれも陰鬱とした雰囲気ながら、どこか救いがあるように感じる。一つとしてはずれのない、珠玉の一冊。


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