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読書メモ
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巴里、戦争、三角関係はよほど十蘭が気に入ったテーマだったのだろうか。そのなかでも『勝負』は徹頭徹尾ドラマチックな一品。本書の白眉か。他に気になったのは『公用方秘録二件』。格好良い男の生き様が感じられる。

その他ドキュメント風の作品がいくつか収められているが、特に『海と人間の戦い』は、あまり起伏がなく、さらっとした終わり方も悪い方に作用している気がして、あまり楽しめなかった。
 
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『十蘭万華鏡』収録の『花束町一番地』が好きだったが、本書にも巴里を舞台に留学生のお嬢さんが活躍する『モンテカルロの下着』があり、嬉しい限り。

中編、とまでは言いかねるが、やや長めの話が目立つ。その中では、軽快、かつほどよく幻想的でもある『心理の谷』が印象に残った。
 

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前半はパリ滞在もののほか、何かしら戦争に関連した作品群。後半は時代ものがいくつか収められているが、形は違えどどれも異国を思わせる。

解説で指摘されているように、『巴里の雨』と『風祭り』は非常に似通っている。本書収録作以外にも姉妹作があるあたり、よっぽど気に入ったシチュエーションだったのだろうか。

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河出文庫からの短編集第二弾。バラエティーに富み、どれもこれも面白いのはいつものこととして、本書の中では『花束町一番地』の、短い文を繋げて小気味よく町の様子を紹介する箇所が心地よかった。

全体のストーリーは異なるのに、『雲の小経』にある一場面が『その後』とほとんど同じだった。改稿癖のあった十蘭の、こういった部分を探すのも楽しみの一つらしい。

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他の作品集にはないものを集めた短編集で、全集に手が届かない身としてはありがたい。

収録作は時代物や幻想譚、国外が舞台だったりと色々な面を楽しめるが、どこかとぼけた印象の『遣米日記』、『その後』が良かった。『生霊』ラスト4行の切れ味もなかなか。

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直木賞受賞作等、代表作を集めた短編集。出版は岩波文庫版より早く、『母子像』のみ共に収録。やはり表題作になっている『湖畔』、『ハムレット』に引き込まれる。

岩波文庫版は全体的に幻想小説めいたものが多かったように感じたが、こちらの収録作は一つ一つの雰囲気がまったく違う。特に『玉取物語』は、まさにタイトルそのままの話だが、重厚な作品が多い中異彩を放っている。


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