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読書メモ
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フリーメーソン、薔薇十字団等の、秘密結社と称される集まりについて述べた本。一般にイメージされるような、中世ヨーロッパ以降の、魔術的な傾向のあるものばかりではなく、古代から現代、アフリカからアジアまで、幅広くスポットを当てている点が良い。その分駆け足ではあるが。

『黒魔術の手帖』とかさなる部分も多いため、あわせて読むとより理解が進むはず。順当に行けば、次は『毒薬の手帖』を読むべきであろうが、なぜか近所の本屋に売っていない……
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三島由紀夫による「殺し屋的ダンディズムの本」との評はあまりにも有名。単行本時の類似本の少なさ(何せ序文には奇術をあつかったものではない、と書かれている)や、黒尽くめの装丁が要因だろうか。ジル・ド・レエについて書かれた項が多いところもポイントかも。

あとがきでは、現在では最初に出た時のような衝撃力はない、とか、若書きであることを気にしているふうだったが、今読んでも十分に面白い。時折話しが脱線するあたり、筆のおもむくまま、とても楽しんで書いたのではなかろうかと思う。

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単行本化は約50年前。今でこそこの手の本はよくあるけど、当時はどうだったのだろうか。中には悪女とまでは言い切れない人もいるが、あとがきで著者自身が定義にこだわる必要はない、と述べている。他のエッセイと比べるとかなり平易な文章で、一人あたり20頁くらいのため、実に読みやすい。一番売れている、というのもうなづける。

河出文庫でも出ているが、こちらの文春文庫版は解説が三輪明弘。なんだか意味深。

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平安から江戸時代を舞台にした、短編集。創作ではあるものの、文中や台詞にまで外来語を織り込み、時折作者自身の注釈も入って、評論の延長であるような感じもする。古典の翻案が大本にあるようだが、オブジェ、両性具有、黒魔術といったいかにも作者好みのモチーフが広がり、ざっくばらんな語り口も相まって、遊び心のある幻想譚に仕上がった。

どれも甲乙つけ難いが、クライマックスのイメージが眼に浮かぶような表題作『ねむり姫』、徹頭徹尾ふわふわとした『画美人』が特に良かった。

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著者初、なのだろうか。鉄道がテーマの怪談集。とはいってもあとがきで触れているように、そこまでおどろおどろしいものではなく、どいらかと言えば幻想小説よりかも。(単純な怖さで言えば、『作家小説』の方が怖かった) 普段人が多い都会の鉄道にばかり乗っていると忘れがちだか、鉄道と怪奇はよく似合う。

流れるような綺麗な、といいうわけではないが、有栖川有栖の文章は品がある。本書の中では、幻想味豊かな『密林の奥へ』、一服の清涼剤のような『貴婦人にハンカチを』が良かった。

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幽明志怪シリーズがついに完結。ほとんどの話で伯爵が登場し、ややユーモラスな雰囲気は一冊目に近いか。ただ、『玉響』のように、どうしようもなく切ない幻想譚もある。本書のキモは唯一の中編である『山羊の城』と、その続編だろう。ぜひ『蘆屋家の崩壊』を読み返してから手にとって欲しい。

もとから時系列にそって書かれたシリーズではなく、続けようと思えば続けられそうなものなので、これで完結というのには賛同しかねるが、ラストに表題作である『猫ノ眼時計』を持ってきたのは上手い。


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