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Feels So Good
読書メモ
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ここ最近、江戸川乱歩賞を受賞した事で話題の著者の、デビュー作。19世紀末を舞台にした音楽の話だけど、登場人物紹介に「DJ」なんてあってまずびっくり。皆川博子風の世界かと勝手に思っていたが、音楽+歴史のSFだった。

話し言葉がやや軽いような気はしたが、音楽の描写が巧みで非常に引き込まれた。作中に登場するようなクラブがあったらちょっと行ってみたい。音楽SFをいくつか書いているようなので、他も楽しみ。
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これだけ揃えたら圧巻、というくらい「論理」にこだわった短編集(多かれ少なかれ、他の作品にも当てはまる特色だけど)。ただ、どこかで読んだ話が多いと思ったら、『目を擦る女』と4/7が同じ作品だった。テーマに合わせて再編集したらしい。東京創元社から出ている短編集と違って、こちらは基本的にSFがベース。

よくよく考えてみると、どれもアイディア一発ものの話ばかりだけど、そのアイディアの面白さと、ねちっこくて頭痛がしてくるような会話で他の追随を許さない。再編集したとはいえ、以前から収録されていた『予め決定されている明日』が、想像すると面白い。

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『エロティシズム』や『少女コレクション序章』の姉妹編。タイトルは本書収録の『ホモ・エロティクス』からだろうか。

一つの連載や、書き下ろしというわけではない。しかし後半になるにつれて黒魔術や吸血鬼といった題材も出てくるものの、「エロティシズム」というテーマは一貫しており、随筆というよりは評論に近い文章でもあるため、読者を飽きさせず、まとまりのある一冊になっているように思える。エロティシズム三部作の中では一番とっつきやすいかも。

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同じ題材を扱ったものとして『少女コレクション序章』があるが、あちらが比較的自由に題材を選んでいたのに対し、こちらは一巻して、エロスについて論じている。似たような内容が延々と続き、かつ淡々と書かれているため、面白さでは負けるか。かなり真面目な視点で書かれているため、いやらしさは微塵もない。

本編の連載から17年たってかかれたあとがき、『クラナッハの裸体』が一番楽しめた。

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近世ヨーロッパを中心とし、「毒薬」について論じた一冊。予想はしていたが、やはり『世界悪女物語』との親和性が高い。毒薬そのものを中心とするわけではなく、毒薬が使われた背景や心理にスポットを当てた点が面白い。取り扱う題材としては比較的イメージがしやすく、文章も平易なため、手帖シリーズの中では一番親しみやすい。

それにしても、歴史上の出来事として見ると、「毒薬」、「毒殺」という言葉の、なんと甘美に響くことか。

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文学、美術、歴史の紹介や、論文めいたエッセイではなく、毎回一つのテーマに従って自分自身のことを振り返って語ったもの。もちろん、ある程度飾られていはいるだろうが、異端の文学者、澁澤龍彦ではなく、ごく普通の一個人としての、澁澤像が発見できる。

他の著作を読む上でも、日常に即した書き手の人となりを知ると言う点で、参考になると思う。


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