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Feels So Good
読書メモ
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初期作品を読むのは初めて。ここ最近の作品と比べてもなんら遜色のない美しい文章に、すぐに惹き込まれた。「ミステリー編」とあるけれど、愛憎や狂気のイメージがにじみ出るような作風で、幻想小説集と銘うつことも出来そう。どの作品も高水準で、甲乙つけ難いが、『火焔樹の下で』や『舟唄』、『黒塚』あたりが特に印象に残った。

それにしても、これだけの本が絶版になっているとは。またも図書館に感謝せねば。
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『犯罪小説集』というだけあって、一般的な推理小説の枠には入らない作品もある。執拗なまでの遺体の描写、鮮やかなプロット、美しくさえある変態性欲等、とことんまで読者を飽きさせない。江戸川乱歩が心酔したというのも頷ける。『白昼鬼語』なんかは、ちょっと文体を崩せば、乱歩の作品だと言われたら信じてしまいそう。本人は嫌がるかもしれないが。

いわゆる純文学の作家ということで、かなり堅いイメージがあったのだけれども、予想以上に面白かった。今後の読書の幅が広がりそう。

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今となっては入手困難な処女長編。ありがとう図書館。『山尾悠子作品集成』に収録の、『ゴーレム』が母体。登場人物が増えて場面転換も多いため、注意して読まないと状況がつかめなくなる。それでも、「たましいの顔」というテーマはゆるがないため、取り残されることはない。

後半の展開は異なるが、どちらのバージョンも幻想味豊かで甲乙つけがたい。ただ、雰囲気は『ゴーレム』の方がよかった。主に登場人物の名前の点で。

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それなりに面白かったけど、『午前零時のサンドリヨン』と比べると、そこまでではなかった。主人公が極端に気弱なのはまだいいとして、ヒロインのキャラクターが突飛すぎて…… 青春小説でもあるのだけれど、背景はやっぱり暗い。

出来るなら、最後まで一気に読んでみて欲しい。独立した短編としてみた場合と、一冊の長編としてみた場合では、評価にかなり違いが出てくるかと思う。ヒロインについてはほとんど何もわかっておらず、次作がどういった切り口になるのか期待が持てる。

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丸々一冊の詩集を読むのは初めてかも。前半は散文詩、後半は定型詩と、スタイルが異なる。あまり読みなれていないため、散文詩の方が入り込みやすかった。

アルゼンチンの土着的な話や、近しい人について語ったもの等、内容も色々だが、どれもボルヘス自身の姿を投影しているように思える。解説では『王宮の寓話』をあげているが、かなりストレートではあるけれど、『ボルヘスとわたし』も加えたい。底本である、世界幻想文学大系のバージョンでも読んでみたい。

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この手法で攻めてくるとは思っていなかったので、見事にしてやられたが、ちょっと力技な気がした。前作の方が、上手くまとまってはいたと思う。ただ、十代に特有の暗い側面はよく出ていた。女子高生の人間関係って怖い。

それにしても、主人公二人の仲が進んでいるような、進んでいないような、実にもどかしい。あと、八反丸さんがもはや変な人になってしまった…… なお、相変わらず太腿は気になる様子。


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