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Feels So Good
読書メモ
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事件が起こるわけでもなく、超常現象もなし。幻惑に襲われることもない、津原泰水にしては普通の小説。ただ、静謐な文章は著者一流のそれ。

時を越えた詩人との邂逅等、痺れる箇所も多い。十年後にもう一度読み返したい一冊。
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ほんわかとした表紙で、日常をやわらかく描いたものかと思いきや、予想以上に濃い作品だった。テーマが「人形」なだけに、時には偏執狂的ともとれるほどの想いが込められているようで、書き下ろしの『最終公演』などは鬼気迫るものがある。

雑誌連載の続編があるらしく、刊行が待たれる。

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シリーズ二作目にしておそらくは最終作。前作から十年後、この上なくショッキングが出来事から始まり、高校の卒業式へとさかのぼる形式をとっている。タイトルの「憂愁」という言葉がよく合う作品。

ラスト数ページは、読みたいけど読みたくない、といった気持ちになるほどに切ない。推理小説、としての観点だけで見ると、さほど特筆すべき点は無いように思えるが、それがかえって良かったのかもしれない。

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「綺譚」の名に恥じない短編集。幽明志怪シリーズと比べると、ユーモアやテンポの良さを抑えて性と死をメインに据えている気がする。どちらが良いかはもう好みの問題だろうが、惹き込まれる文体の美しさはこちらに軍配が上がる。

解説でも触れられている『玄い森の底から』や、退廃的な雰囲気が堪らない『サイレン』はぜひ読んでいただきたい。

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伯爵の登場頻度が大幅に下がったせいもあるのか、高水準だとは思うが一作目ほどのインパクトは感じなかった。流れるような美しい文章は健在。

ホラー要素が幾分か薄れ、幻想的な雰囲気が強まっている。表題作の『ピカルディの薔薇』や、『夢三十夜』が良かった。

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読む前は何となく軽めのホラーかと思っていたが、とてつもなく完成度が高い幻想怪奇小説だった。現実と幻の境界があいまいな作品が多い中、『猫背の女』は特に恐ろしく、『奈々村女史の犯罪』は実に美しい幕切れ。

圧倒的なイメージが押し寄せる『水牛群』も外せない。いくらかのユーモアを交えた文章にはまったく無駄がないように思えた。


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